
欲しかった廃番ICをようやく見つけ、藁にもすがる思いで海外マーケットプレイスから取り寄せた結果――届いたのは“動かないゴミ”。
そんな悲劇は電子工作・修理の世界では珍しくありません。
特に eBay や AliExpress は便利な反面、コピー品・再生品(リサイクル品)・リマーク品が混在しているため、知識なしに購入すると失敗しがちです。
本記事では、初心者でもできる 偽物を見抜く5つのチェックポイント を丁寧に解説します。
レーザー刻印の違和感
偽物 IC の最も典型的な特徴が レーザー刻印の不自然さ です。
本物の刻印はメーカーごとにフォントや深さが均一で、文字周囲も滑らかです。
一方、リマーク品は一度刻印を削り落として新たに上書きするため、表面に“ブラックトップ”と呼ばれる塗装痕が残ります。
チェックポイント
- 文字が異常に太い/細い
- 文字の深さが均一でない
- 刻印部分だけ反射具合が違う
- 表面が妙にツヤツヤ、またはザラつきすぎている
- 刻印の位置が微妙にセンターからズレている
ブラックトップは紫外線ライトを当てると光り方が変わるため、UVライトがある人は試してみると効果的です。
「見た目が綺麗すぎる」のも逆に怪しいという点を覚えておきましょう。
リード(足)の状態
新品ICなら、足(リード)の状態は非常に重要な指標になります。
リサイクルIC(廃基板から取り外したもの)を“新品”として再出品するセラーも多く、その特徴が足に現れるためです。
チェックポイント
- 足が微妙に外側へ開いている(基板から外す際に曲がった跡)
- 足の根本にハンダの残りカスがある
- 足のメッキが部分的に剥がれている
- 角度によっては茶色く見える(酸化や熱劣化の証拠)
- 足の平行が揃っていない(本物は精密に揃っている)
特に “新品なら絶対にありえない傷” がある場合は危険信号。
足の酸化・メッキ落ちは再利用品の証拠です。
ロット番号の矛盾
IC のパッケージには製造ロット番号(Date Code)が刻印されています。
これが ありえない未来の日付になっている, メーカーの製品寿命と合わない, 同じ型番なのに複数個が全く別のロット番号 といった矛盾がある場合は、リマーク品の可能性が高いです。
チェックポイント
- メーカーの生産終了年より新しい日付
- 同じ袋に入っているのにロットバラバラ
- 年月のフォーマットがメーカー公式と違う
- 他ユーザーの写真とロット書式が完全に異なる
例として、2005年に生産終了したICに「2021」「2235」などの未来ロットが刻まれていたら、ほぼ100%リマーク品です。
ロット番号はメーカー資料で確認できる場合があり、疑わしいときは必ず調べましょう。
まとめ:安すぎる出品には必ず裏がある
eBayやAliExpressでの半導体調達は、廃番品を見つける最後の手段として非常に有効です。
しかし、「相場の1/3以下」 のように安すぎる出品には必ず理由があります。
リマーク品・コピー品・リサイクル品は、見分けを誤れば基板が壊れるリスクすらあります。
安全に購入するためには、
- 評価が高く(Feedback 98%以上)
- 長期間半導体を扱っており
- レビューに「本物だった」という声がある
そんなセラーを優先して選ぶべきです。
怪しい場合は写真を求める、複数購入前に1つだけ試すなど、慎重な行動が失敗を防ぎます。